猪苗代町町営住宅長寿命化計画
1. 計画の背景と目的
- 歴史的・制度的背景: わが国の公営住宅は、昭和26(1951)年の公営住宅法制定以降、戦後の絶対的な住宅不足を解消するため、全国的に「ストックの量的確保」を最優先として数多く建設されてきました。 しかしその後、少子高齢化や人口・世帯減少社会へと大きく移行したことから、平成18(2006)年6月に「住生活基本法」が制定されました。これにより、公営住宅等の役割は量から「住環境を含めた質の向上」へと大きく舵を切りました。維持管理のあり方も、不具合が起きてから直す「対症療法型」から、計画的に修繕する「予防保全型」へと転換され、『良いものを、きちんとメンテナンスし、長く大切に使う』という方針が国全体で確立されました。
- 猪苗代町における経緯: このような社会的背景と、更新期を迎える老朽化ストックへの対応を踏まえ、本町では平成26(2014)年3月に最初の維持管理計画を策定し、町営住宅の管理に努めてきました。
- 今回の見直しの目的: 前回の計画策定から約10年が経過する中で、国の策定指針が改定されたほか、町の最上位計画である「第七次猪苗代町振興計画」や、公共施設全体の適正管理を目的とする「猪苗代町公共施設等総合管理計画」が改定・策定されるなど、住宅を取り巻く環境は大きく変化しています。 本計画は、これらの変化や将来の需要推計を的確に反映し、効率的かつ円滑な更新(建替え・改善・集約)を行うことで、「ライフサイクルコスト(Lcc)の縮減(将来の町財政負担の軽減)」と、少子高齢化に対応した「安全・安心な住まいの確保」を両立させることを目的としています。
2. 計画期間
- 令和8(2026)年度 ~ 令和17(2035)年度(10年間)
3. 町営住宅の現状と課題
- 管理戸数(令和7年7月時点): 町営住宅(10団地 303戸)と町設住宅(4団地 35戸)を合わせ、全体で14団地 58棟 338戸を管理しています。
- 建物の老朽化: 耐用年数を超過、または耐用年数の過半を経過している住戸が約49.2%(166戸)あります。これが計画最終年度の令和17年度には、全体の87.6%(296戸)となるため、予防保全型への移行と計画的な改善・解体が急務となっています。
- ニーズのミスマッチ: 入居世帯の約76.0%が年間収入200万円未満であり、セーフティネットとしての重要性が高い一方、世帯の小規模化(単身・2人世帯の増加)が進んでいます。供給されている住宅の多くは家族向け(57平方メートル以上)であるため、「少人数で広めの住宅に住む世帯」が64.5%を占めており、将来推計(必要ストック量は176戸、現状より127戸余剰)に見合った規模の適正化(集約・再編)が求められています。
4. 長寿命化・事業手法の選定(方針)
将来の必要ストック量や各団地の物理的特性を踏まえ、以下の3つの方針に分類して事業を推進し、効率的なマネジメントを行います。
- 改善(継続管理):
- 対象団地例: 桜ケ丘住宅、川桁住宅など
- 内容: 構造の安全性に問題がなく需要も高いため、段階的な外壁改修やLED照明化などの個別改善を行い、建物の長寿命化と居住性の向上を図ります。
- 用途廃止(順次解体):
- 対象団地例: 二丁田住宅、沼田住宅、五百苅住宅、母子住宅、上川原住宅、樋ノ口住宅、市沢住宅など
- 内容: 耐用年数を大幅に超過し改善が難しい住宅、または既に用途廃止候補となっている住宅。入居者の退去状況(移転等)を見ながら順次解体を進め、跡地の売却や町有地としての利活用を検討します。
- 当面維持管理(必要に応じた改善):
- 対象団地例: 鶴峰住宅 など
- 内容: 土砂災害警戒区域などの立地上の課題を考慮しつつ、当面の需要を踏まえて維持管理し、必要に応じた改修を行います。
猪苗代町町営住宅長寿命化計画(令和8年3月) [PDFファイル/18.52MB]
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