今年度最後の全校集会(放送)では,全校生に向けて,言葉の大切さを訴えました。
以下,長文になりますが,紹介します。
『たった一言が人の心を傷つける たった一言が人の心を温める』~あるお寺の入口掲示板に掲げられていた“書(ことば)”です。
『一度口から出た言葉には,消しゴムは使えない』~かつて,私が受け持ったクラスの女子生徒が言った言葉です。
さて,みなさんは,「言霊(ことだま)」という言葉を知っていますか? 古来より日本では,言葉には霊力が宿っていると信じられ,口に出して音(声)にすることにより,発した言葉どおりの結果をもたらす力があるとされてきました。 これが,「言霊」です。
たとえば,炊きあがったごはんを二つの茶碗にとり,一つには「おいしくいただくよ。ありがとう」と声をかけ続け,もう一つには「まずそうだな。早く悪くなってしまえ」と声をかけ続けていると,「ありがとう」と声をかけたごはんの方が,長く腐らずにいるという実験結果もあるそうです。うそのような本当のお話です。
言霊は,現実の世界だけでなく,インターネットやSNSの世界でも生き続けます。みなさんは,木村花さんという女子プロレスラーを知っているでしょうか。2年前の5月,SNS(Instagram)に…数え切れないぐらいの誹謗中傷を書き込まれ,22歳という若さで,自ら命を絶ってしまいました。
匿名で書き込んだらバレない,と思っている人がいるかもしれませんが,手続きを行えば,インターネットやSNS上で人物の特定ができるのです。木村花さんの事件でも匿名でひどいことを書き込んだ人物が特定され,裁判になっています。また,書き込みを削除しても,それは表面だけのことで,インターネットの世界では,記録や書き込みは残り続けます。これを入れ墨に例え,“デジタル・タトゥー”といっています。
言葉は,人を死に追いやる力も宿しているのです。言葉は人間にとって,便利で大事な道具ですが,遣い方を誤ると,危険な武器にもなります。言霊をプラスの方向で使っていくよう,いつも心がけてください。
そして,いつも言っていること…自分から出ていったものは,言葉であれ,行動であれ,いつか必ず自分自身に戻ってきます。“ブーメランの法則”です。いつもいいブーメランを投げる東中生でいてください。