12月29日(金)曇り。午前9時の気温は-4度。曇りの天気とは言え、午前9時現在、磐梯山は姿を見せ、青空も広がっているようです。
さて、今日は、私のふるさと南会津町の郷土料理「サメの煮つけ」について書きます。年末からお正月にかけて、食卓には必ず「サメの煮付け」が出ます。娘は、お気に入りらしく喜んで食べていますが、この「サメの煮付け」を見ることは、他の地域ではあまりないように思います。では、なぜ、南会津町では、「サメの煮付け」を食べるのか。それは、海から遠い山の中だからという事だと推測します。調べてみると『サメ肉はトリメチルアミン-N-オキシドおよび尿素の含有量が著しく高いため、食中毒の原因となるヒスタミンの生成が抑制されるうえ、酸化による脂質の変敗も起こりにくい。このため保存性が高く、2週間ほど経過したものでも刺身として食べられており、冷蔵技術が未発達だった頃から山間部で生食できる魚として重宝されていた。』ということでした。要するにサメ肉は腐りにくい。そのため、冷凍技術など発達していなかった時代、海から離れた南会津の地においては、サメは重要なタンパク源であったことから広く食べられるようになり、現在もそれが受け継がれているものと思われます。
伝統的な食べ物には、その土地の先人の思いや願いそして工夫が詰まっていることを、機会ある毎に子供達に伝えていきたいと思います。そして、それらの料理を子供達にも是非受け継いでいってもらいたいと思います。
以前、この話を会津美里町に実家のある先生に話したことがあります。すると、美里町でも同じく「サメの煮つけ」を食べるということでした。そして、それは、大みそかの料理として食卓に並ぶということでした。大みそか・・・、つまり1年を締めくくる日、おさめの日に食べるのが「サメ」の煮つけということでした。 なるほど・・・納得です。