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翁島(おきなしま)小学校ホームページ

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ゆずり葉

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 11月12日(日)晴れ。午後2時30分の気温は7度。昨日と比べると穏やかな日になりました。
 上野公園で、「あ~、これがそうか」と思った植物がありました。「ゆずり葉という常緑の木です。」ゆずり葉の木は、福島県以南の比較的暖かい場所に分布している植物です。新しい葉が出てくると道を譲るように古い葉が落ちることから「ゆずり葉」と呼ばれています。福島県ではあまり見かけませんが、場所によっては正月飾りにも使われるそうです。「若くして亡くなることがないように、死は、命を受けた順に訪れるように、そして、子孫が絶えることなく家が繁栄していくように」という願いが込められているといいます。(福島県の正月飾りでは、ウラジロという植物が使われているようです。)このように、あまり身の回りでは見かけない植物ですが、「ゆずり葉」という植物が知られているのは、6年生の国語の教科書に河合酔茗(かわいすいめい)のゆずり葉という詩があったからだと思います。 こんな詩」でした。「あ~、勉強したな~。」と思い出す方も多いかと思います。

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ゆずり葉    河合酔茗

子供たちよ
これはゆずり葉の木です
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わってふるい葉が落ちてしまうのです。
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって
子供たちよ
おまえたちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません
かがやける大都会も
そっくりおまえたちがゆずり受けるのです
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受け取るのです
幸福なる子どもたちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど
世のお父さん,お母さんたちは
何一つ持ってゆかない
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの,よいもの,美しいものを,
一生懸命に造っています
今,お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる
鳥のようにうたい,花のように笑っている間に
気が付いてきます
そしたら子供たちよ
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見るときが来るでしょう